技術紹介

研究開発から品質管理
研究開発
当社が商品に採用しているニッケル-チタン(Ni-Ti)系形状記憶合金ばねは、当時のNi-Ti系合金としては、まだ世の中に存在していなかった極めて変態点(変態温度)の低い特殊なものでした。
そのような環境下ゆえに当社独自の研究・開発が始まり、技術者集団の強い研究心と努力の結果、1987年に換気装置として世界初の商品化に成功しました。
その後も常に世界最先端の形状記憶効果特性をもつ形状記憶合金を創造すべく、日々弛まぬ実験と研究開発を続けています。
設計開発
幾ら優れた形状記憶効果特性を持った形状記憶合金が存在したとしても…優れた動作性能特性をもった商品ができるというわけではありません。
形状記憶合金それぞれの複雑な特性に合った機構・構造との高度な適合性と制御技術が必要です。
私たちは、素材としての形状記憶合金からはじまり、機構・構造設計〜各種部品設計に至るまで、社内での一貫した開発体制によって、トータル・パフォーマンスの優れた商品開発をおこない続けており、この開発の姿勢は、これからも変わることはありません。
形状記憶合金の生産工程
形状記憶合金ばねの原料であるチタン(Ti)は、酸素と反応しやすく、変態点に影響をおよぼすことから、高周波誘導加熱真空溶解炉で鋳造します。
鋳造で得られた鋳塊(インゴット)を 熱間鍛造〜熱間圧延〜冷間圧延〜伸線〜巻線加工を経て、ばねの形状にしたあと、仕様に応じた形状固定治具で、そのばねを拘束し、形状記憶真空熱処理炉で、記憶処理を加える事によって、目的とする温度仕様の形状記憶合金ばねを生産しています。
ニッケル-チタン(Ni-Ti)系形状記憶合金は、加工の難易度が高いため、外見は同じでも原料の組成や加工、記憶処理の状態で、特性が大きく変わることから、細心の管理の基に生産工程が組まれています。
形状記憶合金の検査工程
様々な性能を持つ形状記憶合金ばねを実用化するためには、各温度における状態を詳細に調べ、最適な条件を設定しなければなりません。
当社では、検定付標準水銀温度計並びに白金測温抵抗体などの他、精密測定機器を用い、設定温度を、±0.1℃未満に管理した恒温水槽と常時零点管理をした歪み計(ロードセル)を当社が独自に開発した制御プログラムによって管理するSMA自動特性判定システムへ組込み、全数同一条件で高い信頼性を誇る特性品質確認検査を実施しています。 永年蓄積してきた膨大なバック・データを基に分類管理された形状記憶合金ばねにより、高品質のSMAサーマル・アクチュエータを供給しています。
形状記憶合金の品質管理
当社の形状記憶合金ばねは、個体判別用シリアルNoをつけて管理しています。 そのシリアルNoやロットNoなどから、生産履歴や全数検査によって分類した バイアスばね(SUS304製の補助ばね)の設定詳細条件まで、追跡調査できる品質管理体制としています。
このような細心(最新)の管理体制の基でアッセンブリしたSMAサーマル・アクチュエータを組み込んだ商品としての最終検査では、0.1℃スケールの精密棒状水銀温度計で温度管理した恒温槽と呼ばれる環境試験装置を用いて、仕様温度における複数の作動検査をおこない、各摺動部品やアッセンブリ状態の動作状況確認をすると共に新たなバック・データとして、以降の生産ロットへと活かされています。
周辺計測機器である各種精密水銀温度計白金測温抵抗体ロードセル熱電対、その他、デジタル計測機器の校正や各種専用設備などのメンテナンスを定期的に実施することによって、常に正確で、確実な品質管理を心掛けています。
これが、当社が世界に誇る温度感知技術です。